インタビュー・ライティングで気を付けている3つのこと

Pocket

DADAが運営する新メディア『ïsme』でインタビュー記事を書きました。

コミュニティハウス「アオイエ」や、モビリティハウス「バスハウス」を運営する株式会社DADAが2019年7月10日に新しく立ち上げたメディア、『ïsme』。

ミレニアル世代の主張を提示していくカルチャーメディアです

とあるように、20代を中心とする若い世代の主張や主義を掘り下げるメディアなんですが、インタビュイーの選定が絶妙です。今アップされてるのは3名。

映画『僕はイエス様が嫌い』の監督・奥山大史さん

ベンチャーキャピタリスト・上杉修平さん

世界ランキング自己最高位58位のプロテニスプレイヤー・西岡良仁さん

ぼく、田中ヤスヒロは奥山大史監督へのインタビュー&ライティングと、西岡良仁選手のライティングを担当しました(クレジットの田中康紘が私です)。インタビュイーのお三方が拡散してくださっていたり、DADAさん自体注目度が高かったりで、SNS上でも反響が続々上がっています。こういう↓お声もあり、インタビュアーとしてはうれしいところ。

 

せっかく褒めていただけたのえ、インタビューやライディング時に意識していることをちょっと書いてみようかと思います。

 

質問からライター個人の考え・感想をなるべく排除する。

これは記事タイプによっても違うんですけどね。インタビュー記事には、ライター自身が表に出るタイプのもの(よっぴーさんとか、カツセマサヒコさんの記事をご想像ください)と、黒子に徹するタイプのものとがあります。

前者の場合なら、自分の考えや感想はむしろ必須です。読者は聞き手にも興味関心を持っていて、彼らならではの質問を求めているケース。インタビューというか、実質対談に近い構造ですね。

一方、後者の場合はインタビュイーに光を当てることがメイン。聞き手はメディアや読者の代理人みたいなイメージですかね。こちらの場合は、ライターの持論や感想は不純物になります。奥山監督へのインタビューから例を挙げます。

そんななかで、キリスト教以外の文脈での祈りのシーンも描かれました。礼拝堂で祈るのと同じ手で、仏間や神社では違う祈り方をします。(引用元:https://dadaisme.jp/190708-okuyama/)

↑は実際にした質問(これにはどんな意図があったんですか?という質問を省略しています)。映画に描かれたファクトを挙げているだけの質問なので、いろんな答え方ができます。何か狙いがあればそれを話せるし、特に狙いがなかったとしたらそう答えればOK。一方、個人の感想を入れて下のような質問をしたらどうでしょう。

そんななかで、キリスト教以外の文脈での祈りのシーンも描かれているところに、監督の宗教観が表れているように感じました。礼拝堂で祈るのと同じ手で、仏間や神社では違う祈り方をするのは日本ならではのユニークなスタンスですよね。海外の観客からは不思議に思われたのでは?

こうなると、答えるほうは自分の考えを自由に話すというよりは、聞き手を肯定するか否定するかという回答になってしまいます。見当外れな意見だった場合、優しい方なら気を使って合わせさせてしまうし、厳しい方なら腹を立てさせてしまうこともあるでしょう。そうなるともう、インタビューにはなりません。

でもこれって案外知らない方も多くて。黒子になるべき記事タイプなのに、こういう聞き方をするライターさんって意外と多いんですよね。他のメディアが聞いていないことを聞こうとか、良い質問をしてやろうと気負いすぎた結果なのだと思いますが、逆効果です。

インタビューを発注される方はまず、自分が求める記事はライターが表に出るタイプのものなのか黒子になるタイプのものなのかを明確にしましょう。そしてもし、黒子タイプの記事がほしい場合は、ライターさんにその旨をしっかりインプットしておくと、齟齬のない記事に仕上がりやすいかと思います。

 

鋭い質問はファクトの解像度を上げてつくる。

個人の考え・感想を排除したら、一般的な質問しかできなくない?と思う方もいるんじゃないでしょうか? そうとは限りません。“鋭い質問”≒“解像度の高い質問”です。先程の質問を例にします。

そんななかで、キリスト教以外の文脈での祈りのシーンも描かれました。礼拝堂で祈るのと同じ手で、仏間や神社では違う祈り方をします。(引用元:https://dadaisme.jp/190708-okuyama/)

この質問をちょっといじって、解像度が低い順に並べると……

1.祈るシーンが何度もありますが、この意図は?
2.いろいろなシチュエーションでの祈るシーンがありますが、この意図は?
3.複数の宗教での「祈り」が描かれますが、この意図は?

だんだんと質問の切れ味が増すのが分かりますでしょうか? これらは全部、映画に関するファクトのみで構成した質問ですが、下に行くほど用いているファクトに対する解像度が高くなっています。

1.は祈るシーンの「回数」が多いという視点だけ。2.は「回数」の正体は「シチュエーションの違い」という気付きになり、3.ではそれが「宗教」をまたいだものであることを争点にします。実際に記事にした質問では、「仏間や神社」というロケーションにも言及し、作中のシーンの画を思い浮かべながら答えていただくことをねらいました。

考えや感想といった、聞き手個人に根ざすものに頼らずとも、ファクトをより解像度高く伝えることで、ほかとは違った質問になります。

 

ノセない。煽らない。裸の王様にしない。

インタビューをしていると、インタビュイーの方がノッてきたなと感じる瞬間があります。今回インタビューさせていただいたお二人はインタビュー慣れしている方なのでそんなことをありませんでしたが、一般企業の社員インタビューなどでは気をつけたいポイントです。

口下手な方、控えめな方がよく喋ってくれるようになる分には、全く問題ありません。まずいのは、もともと話し上手な方の場合。聞き手が必要以上に褒めてアゲてのコミュニケーションをしてしまうと、口のすべりが良くなりすぎてしまいます。読み手から見たバリューと、話し手のテンションが噛み合わなくなると、双方ともに不幸です。大げさに言うと、飲み屋で武勇伝を語っているような状態。

ライター(発注者であるメディアや企業も)は太鼓持ちになってはいけないと思っています。インパクトのある文章にしたいがあまり、インタビュイーを裸の王様にするような真似はしたくないものです。これは書き方でも同じですね。僕は「圧倒的な」「あり得ない」「伝説の」みたいな表現はよほどのことがない限り使いません。

 

インタビュー・ライターをお探しの方、ご相談ください。

インタビューをするうえで気を付けていることを書いてみました。インタビューのライターをお探しでしたら、ぜひご相談ください。
ざっくり料金表も用意していますので、合わせてご覧ください。

お問い合わせ内容 (必須)
お仕事のご依頼その他
  

書き手
by
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です